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読書メモ

『速さは全てを解決する 『ゼロ秒思考』の仕事術』赤羽雄二・著(ダイヤモンド社)

 

速さは全てを解決する---『ゼロ秒思考』の仕事術

速さは全てを解決する---『ゼロ秒思考』の仕事術

 

Kindle版 速さは全てを解決する 『ゼロ秒思考』の仕事術

 

 マッキンゼーで14年間活躍した著者が明かす、仕事のスピードを極限まで上げる哲学とノウハウ。

 

1. 日本人の生産性が低い三大要因

 ①自分で決定し、推進しきれない多くの経営者や部門長、②部門内外の調整につぐ調整、③それにともなう膨大・過剰な書類作成

 個人としては、②、③に対応して生産性を上げるしかない。

 

2. あなたの仕事が遅い理由

 すぐに始めることができない

 やるべきことに集中できない

 段取りが悪く、後手後手になる

 優柔不断、迷う

 書類・資料作成が遅い

 メールに多くの時間を取られる

 会議が多い、時間が長い

 差し戻し、やり直しが多い

 

3. 速さが解決する5つのこと

 速さが上がれば、やすべきことにすぐに着手できる

 速さが上がれば、頭がよりよく動く

 速さが上がれば、PDCAを何度も回すことができる

 速さが上がれば、やる気がでてくる

 速さが上がれば、実力を出せる

 

 まず、何をどうすべきか早く思い付くようになる。このモードになると、新規企画なども一気にできる。何かのヒントに対して閃きが走る。

 次に、言葉がどんどん出てくるようになるので、資料・書類作成が加速度的に速くなる。後輩にびっくりされるほど速く作成できるようになる。

 さらに、クリティカルパスが見えるようになる。

 もっと進むと、「一を聞いて二が浮かぶ」ようになる。

 こうやって工夫して仕事が速くなると、人より先に進む。そうすると情報も集まりやすいし、信頼も得やすい。リーダーとして頼られることも増えてくる。そういうポジティブな状況では、感度が上がり、いろいろなことに気づくし、情報量が増えるのでより最適な判断ができるようになる。

 PDCAはいつも同じペースで回すのではない。一度目は特に速く回し、アウトプットの目処をつける。 

 

4. スピードを上げるための8つの原則

原則① まず全体像を描く

 上司が部下に対してどのように指示をして最高の結果を出すようにづべきか」というノウハウが、日本企業にはほとんどない。

原則② 丁寧にやり過ぎない

 顧客にとって本当に意味あるところを集中的に丁寧にすればよい

原則③ 仕事のツボを押さえる

 ツボを押さえるとは、仕事を成功させるうえで最も重要なポイントを把握し、無駄を省いて効果的に進めること。ツボを押さえている人は、いつも余裕があるように見える。てんぱっていることがない。落ち着いて、人ともよく話をしながら、かつ仕事自体は電光石火で進めている。

 まず、その仕事が成功した、うまくいったという状況を想像し、「仕事の成功のイメージ」を明確に持つこと。また、「仕事の成功のイメージ」を実現するために何が必要か、何度もシュミレーションし、段取りを明確にすることも大切。繰り返し考えてみることで、どこがまだひっかかりそうか次々にアイデアが湧いてくる。

原則④ 好循環をつくる

 第一に、好循環は、信頼できるチーム、パートナー等との間で起きる。

 第二に、好循環が始まりかけたら、その好循環がさらにうまくいくように加速させいく。

 第三に、じつは自分から好循環をつくりだそうとあまりしないほうがいい。好循環というのはいろいろ種を蒔いておけば、自然に始まるものだ。

原則⑤ 工夫の仕方を工夫する

 「ちょっとした工夫」ではなく、もっと徹底した「特別な工夫」。「仕事を速くするためにそこまでするのか」「そこまでしなくてはいけないのか」と感じるとしたら、「まさにそういうレベルの努力、工夫が大事だ」と言うしかない。

原則⑥ 前倒しする

 仕事を速く進めるうえで重要な点は、できることは全部前倒しすること。

原則⑦ 一歩先んじる

 一歩先んじるというのは、「進むべき方向を人より先に考えておく」「調べる情報を先に調べておく」「こちらから会議を設定する」など。誰かが何かに気づいてアクションを取る前に、いつもなぜか先に動いていると思われるになること。

原則⑧ 二度手間を全力で避ける

 時間をかけ、かなり進めたあとで、資料作成の方針が正しいものと違っていたということはよくあるし、プロジェクトを進めるうえでの前提条件のずれが途中でわかることも多い。

 いい組織、いい上司ほど、悪いニュースをすぐに共有するようにしており、問題の未然防止と迅速な対応を可能にしている。

 

5. 思考のスピードを上げる具体的な方法

① メモ書き

「メモ書き」でゼロ秒思考を目指す。「メモ書き」はコミュニケーション力を上げる、不安ともやもやをなくす、頭がよくなる。

 本当に仕事で使える問題把握・解決力とは、自分の役割・責任に照らし合わせて成果を出すツボを押さえ、責任を確実に果たせる力。言いかえれば問題点を即座に見抜き、近視眼的にならずに直ちに解決できる力。

② 仮説思考

 仮説思考は異次元のスピードをもたらす。これも「メモ書き」で実施する。問題点にしても解決策にしても、一番最初から仮説を持って、「これが問題点では」とか、「こうすればいいのでは」とか考え続ける。

 仮説は検証して正解に近づける。

 仮説思考は日常生活では誰でも普通にやっていること。雨が振りそうだから傘とか、夏休みで天気がいいから今晩の花火大会は混みそうとか。ところが仕事に関する仮説思考に対しては、かなりのアレルギーや抵抗がある。

 仮説思考ができる人は、常に仮説構築、検証、仮説修正、検証というステップを電光石火に回している。

③ ゼロベース思考

 ゼロベース思考にも取り組む。これは「本来どうあるべきか」「本当はどうなっていないといけないのか」を前例や現状にとらわれず、徹底的に考え抜くことだ。これも「メモ書き」と非常に相性がいい。

 前提として知るべきは、所属している組織には、「暗黙の前提条件」「制約条件」がいろいろあり、本来どうあるべきかを考えにくくしている。

 ゼロベース思考をするためには、日本人以外との積極的な接触・意見交換が欠かせない。それがあれば、当たり前と思ってまったく疑っていなかったことが、じつは世界的にかなり特殊なことだったということに気づきやすい。

 最初は不快に感じることも。慣れてくると大変快適。自助努力だけでは困難。

④ 全てを疑い続ける

 仮説思考やゼロベース思考をするうえでさらに重要なのは、聞いたこと、考えたこと、感じたこと全てを深堀りすること。仮説を立てたあとで、納得するまで「なぜ」を繰り返し、人に聞いたこと、新聞・雑誌・ネットで読んだことを根本から疑い続ける。「なるほど」と思うまで考えたことつづけること。それが「分析力」と「独創性」を徹底的に鍛えてくれる。

 深堀りするうえでのポイントは、丁寧な姿勢は崩さないものの、相手が少しくらい面倒そうでも遠慮せずに聞き続けること。遠慮すると何も始まらない。

 好意と尊敬の念を持って質問する。純粋に好奇心を持ち、誠意を持って「可愛らしく」質問を繰り返していかなければならない。決して尋問になってはいけない。

⑤ フレーム作成トレーニング

 フレームワークは会議や議論で威力を発揮。

 フレームワークは練習あるのみ。フレームワークは問題点を切り分け、仕事の優先順位を明確にし、スピードアップするうえで非常に強力であるが、使いこなすことは結構むずかしい。かなりの練習量が必要。少なくとも20〜30回実地で書いて、使い慣れる必要がある。ところが普通に仕事をしていると、そこまで使う機会がない。使わなければ使わないですんでしまうから。

 今以上に成長し、大きく飛躍したい人にとって、フレームワークは絶対に使えるようにしておくほうがよい。そのためには使い慣れることが必要。「好きな食べ物」とか「読みたい本」など、ちょっとしたことをタイトルにして、この2✕2フレームワークで整理すると練習しやすい。

 A4用紙、毎日1ページ、6個ずつフレームワーク作成の練習をすると、数週間でびっくりするほど頭が冴えてくる。タイトルを考えただけで、使える2軸が何種類か浮かぶようになる。

 フレームワークに習熟すると、会議で紛糾しそうなときにも、物の見事に整理できるようになる。

 

6. スピードと効率を極限まで上げるノウハウ

① 毎朝・毎晩を情報収集に当てる

② 通勤時間は英語か読書を

③ ノートPC、大型ディスプレイの活用法

 1台のノートPC、自宅では大型ディスプレイ、スマートフォンタブレットは自宅では限定的に

④ キュレーションツールGoogleアラート、メルマガ

⑤ FacebookTwitterのタイムラインを活用

 人的キュレーションツールとして活用

⑥ 記事は全て話半分で読み、必要に応じて裏取りを

 特にSEO関連、株価・投資県警、環境・エネルギー関係、中国・韓国関係、差別関係等の情報には注意が必要で、かなりのものがなんらかの形でねじ曲げられていたり、意図的に自分に有利なように誘導しようとしている。

⑦ 検索の表示件数を100にして、別ウインドウも活用

⑧ 海外のカンファレンス動画を見る

⑨ 勉強会・セミナー、その後の懇親会に参加する

 月1〜2回程度は参加するとよい。いろいろな意味で刺激になり、情報収集のアンテナができる。

⑩ 展示会にはこまめに行く

 関心分野の動向、最新状況を把握するために、展示会にもこまめに行くとよい。目安としては、月に1回程度行くと恐らくその分野で誰にも負けないレベルになる。

⑪ 最も有益な相談相手の選び方

 自分と同じ年齢、5年上、10年上、5年下でそれぞれ最低2人、何でも相談できる相手を見つけておくと、情報収集力、現場感、判断力が大いに強化され、視点も格段に広がる。

⑫ 進んで講演・発表をすることで情報が集まる

 もちろん簡単ではなく、ステップを踏む必要がある。まずはその分野でブログを立ち上げ、記事を20〜30程度は書くことが出発点になる。週1、2回として3ヶ月半〜半年前後。そのくらいブログ記事を書けば、素人でもそれなりに詳しくなる。FacebookページかFecebookグループを立ち上げて、ブログを書くたびにそことTwitterに流すようにすると、その分野で結構注目される。

 そうすれば、勉強会、セミナー、シンポジウム等で講演を依頼されることが徐々に増えていく。一度登壇の機会を得たらこちらのもの。それまでのブログ記事に加えて、相手の期待を大きく上回る準備をする。たとえば、インドネシア、タイ、ミャンマー等、東南アジアでの事業機会など。

 関心ある分野のブログ記事で、素晴らしいと思える書き手を見つければ、好きな分野でどうやって記事を書けばいいかだんだん見えてくる。

⑬ 半年で目処がつく超効率的英語勉強法

 聞く力。会話量が圧倒的に多いテレビドラマのDVDを繰り返し観るのがよい。我慢しながら聞いていてもなかなか聞く力はつかない。自分の好きな分野、勉強したい分野、関心を持っている分野にしぼって聞く時間をできるだけつくる。シャドーイングもする。

 読む力。ある程度ストーリーに夢中になれるペーパーバックを頑張って10冊くらい読む。読み終わるころには別次元の力がついている。

 話す力。海外出張や外国人上司とのやり取りの際に話したい、話そうと思う短文を数百個準備し、何度も読み上げておくことが一番の近道だと考える。挨拶のしかた、ミーティング時の賛成のしかた・反対意見の伝え方、仕事の依頼のしかた、外出時の案内のしかた、食事中の発言のしかた、困ったときの依頼のしかた、など20くらいのジャンルに分けて10〜20個の文章を日本語で書き、ネイティブの友人・知り合いに依頼して英語の一番簡単な文章を書いてもらう。丁寧さや苦情の度合いで何種類か書き分けておくと、より気持ちにフィットしやすくなる。

 

速さは全てを解決する 『ゼロ秒思考』の仕事術

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