Seiji's blog

読書メモ

『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界ーシンプルなトレーニング』赤羽雄二・著(ダイヤモンド社)

 

ゼロ秒思考  頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング

ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング

 

 Kindle版 ゼロ秒思考

 

【読書メモ】

1. 「考える力を深め、心を整理する」
 考えを深め、心を整理する効果的な方法がある。それは、頭に浮かぶことを次々とメモに書くだけ。ゆっくり時間をかけるのではなく、1ページを1分以内にさっと書く。それだけで、マッキンゼーのプログラムでも十分に教えていない、最も基本的な「考える力」を鍛えられる。深く考えることができるだけでなく、「ゼロ秒思考」と言える究極のレベルに近づける。心のコントロールの達人にもなり、ストレスや不安、恐怖が軽減される。前向きに明るく生きることができるようになる。
 
 もやもやとした気持ちをその場で言葉にし、考えを深められるようになると、考えが進むだけではなく、どんどんスピードアップしていく。3、4日かかって考えていたことが数時間でできるようになる。1ヶ月かかっていたプロジェクトをものによっては1週間で終わらせることもできるようになる。生産性は数倍〜数十倍上がる。
 
 課題が整理され、問題点の本質が見え、本質的な解決策とそのオプションが浮かび、オプションのメリット、デメリットがすぐわかるようになる。問題の本質と全体像を押さえた確実な対策が打てるようになる。
 
 そうした思考の「質」と「スピード」、双方の到達点が「ゼロ秒思考」。
 
 ゼロ秒とはすなわち、瞬時に現状を認識し、瞬時に課題を整理し、瞬時に解決策を考え、瞬時にどう動くべきか意思決定できることだ。迷っている時間はゼロ、思い悩んでいる時間はゼロとなる。
 
 1分間で、素早く相当量書きだすことが鍵。「メモ書き」は、こわばった頭をほぐす格好の柔軟体操であり、頭を鍛える手軽な練習方法だ。頭に浮かぶ疑問、アイデアを即座に書き留めることで、頭がどんどん動くようになり、気持ちも整理されるようになる。
 
 「暗黙知」が、「形式知」化する。
 
2. 「思考と言葉」
 思考と言葉の関係について、強く意識する。「思考は言葉によってなされる」ということ、そして「感情も言葉にできる」ということ。その上で、頭に浮かぶイメージ、感覚を言葉に表現してみる。
 
3. 「言葉の意味の揺らぎ」
 すべての言葉にはその地域、時代、コミュニティの大半の人が通常理解している中心的な意味と、個人やサブコミュニティ間の振れ幅がある。また、言葉によって、振れ幅が狭いものと広いものがある。同じ言葉でも中心的な意味合いが違っている場合すらある。
 
 ということを踏まえれば、自分や他人の言葉が正確には何を意味しているか、何を意図して発言されたものか、意識的に言っているのか、それとも無意識なのか、をいつも考え、より深く理解することが必要になる。
 
 こうした意味の揺らぎがあるため、言葉への鋭い感覚を持ち、その場にあった的確な言葉使いをする人の話は非常にわかりやすい。定義が明確で、何を言っているかがよくわかり、一つひとつの説明が抵抗なくすっと頭に入ってくるから。
 
 そういう人は、言葉にあいまいさがなく、かつ率直なので、好感を持たれやすい。不適切な言い方をすることもなく、言い過ぎることもないので、人のやる気を不必要に削ぐことがない。当然、人望があり、優れたリーダーになる。
 
 いつも概念がシャープで、しかも苦労せずに言いたいことが言えるため、ストレスもあまりない。自分の意志を伝えたり感情を伝えることが容易にできる。ストレスがないと自然体でコミュニケーションでき、そうなると聞く側もリラックスできるので、頭に入りやすい。それがリーダーシップの源泉になる。
 
 頭がいい、仕事ができるという時、実は言葉への感覚が鋭く、そのためコミュニケーション能力の高さが光って見えることが多い。
 
 自然体というのは、自分に自身を持ち、かつ謙虚な状況のことだ。肩肘を張らない。人を見下したりしない。相手の立場が上だからと言って過度に緊張したり萎縮したりもしない。相手が下だからと言って馬鹿にしたり、子ども扱いしたりしない。直情的にかっとすることもむやみに感情的になることもなく、常に平常心でいられる。といって、熱い思いがないわけでは決してない。むしろ、目的意識が強く、目指すところも高いので、熱意がみなぎった状態でもある。言うのは簡単だが、実際は非常にむずかしい。ほとんどの人は自然体を維持したいと思いながらもうまくできずにいるかもしれない。
 
4. 「ゼロ秒思考と情報収集」
 「ゼロ秒思考」といっても、情報が不足していればもちろん最小限の調査・情報収集が必要となる。そうでなければ、考えるベース、枠組みがなく、当てずっぽうになる。問題や解決策に関してある程度の背景知識がなければ、自己流すぎる判断となり、場合によっては大きく見誤ることになる。
 
 普段からアンテナを立てておくこと、感度を高く持っていろいろなことに関心を持っておくことが大切だが、それでも足りない場合は、さらに調べたり、詳しい人に聞いたりすることになる。
 
 慣れてくると、二つの点である程度の勘が働くようになる。一つは、適切な判断をするために必要な情報を自分が持っているかどうかに関して。二つめには、情報が足りない場合、どこからどうやって鍵となる情報を取ったらよいかに関しての勘である。
 
 問題は、大半の人が調べすぎてしまうことにある。時間がかかるばかりで判断・決断を延ばしがち。
 
 今あるだけの情報で仮設を立て、方針を出すにはコツがいる。自分への追い込みも必要。「もっと情報がほしい、今のままだと不完全だ」と言いたい気持ちをこらえて、大胆に仮説を出す癖をつけること。それだけで、仮説構築のスピードと質は劇的に高まる。
 
 注意すべきは、人によっては、スピード重視という名のもとに、調査不足でもまったく調べず、専門家に聞きもせず、アンテナも立てず、無防備に動いてしまうことがあること。「素早く情報を収集し、全体像を考え、代替案を立案し、比較検討し、決定後は強力に推進する」といった基本動作を無視して、限られた情報や自分の好み・過去の経験則によって決めつけたまま動こうとする。これは非常に危険。仮説はあくまでも仮説にすぎず、確認もしていない。程度問題ではあるものの、出した仮説の根幹だけはすぐ確認、検証しておく必要がある。
 

 

ゼロ秒思考

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