『東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方』上田正仁・著(ブックマン社)
【読書メモ】
発見とアイディアはすべて「考える」というプロセスから生まれる。一つのことを、長く深く考えつづけないとダメ。
1. 問題を見つける力
日々の疑問を大切にする。
極意は、人との対話、自分との対話の積み重ねを通じて問題意識を煮詰める。
「気になる。」「おもしろそう。」「どうしてだろう。」という感覚的なものに、問題の種は潜んでいる。コツは、「いつも自分は何かを考えている」と自覚すること。そしてメモをとる。
今、もう少し考える。
「問題を見つける力」とは、漠然とした「分からない」状態を「何が問題なのか理解しているが、答えがわからない」状態の進化させる能力。
小さな課題をメモにとる。
事例や情報をできるだけ、たくさん集めて調べる。ただし、答え探しが目的ではない。この情報収集の目的は、「すでに誰かが行なっていること、オリジナルでないものは何か」を確認して、それを捨て、「何がまだ行われていないのか」という新たな可能性を見つけだす。
ネットでは事実を収集。事実に基づいて、自分の頭で自分なりのノウハウを編み出すことこそが、問題解決の方法。
何か大きなことを成し遂げた人は例外なく、その人独自の方法、その人に最も合った方法を編み出している。
「できないと言う前に、まずやってみろ」
集めた情報は理解できるまで読み込む。理解した情報は捨てる。
流行りのテーマは捨てたほうがいい。
地図メソッド。情報をふるいにかける。分かっていることと分かっていないことをリスト化。分かりたいことを選別。問題解決。選別では、自分の力を最大限発揮できれば解決できるオリジナルな問題を選ぶ。
2. 解く力
Goal-oriented 先見の明が必要
Curiosity-driven 好奇心のおもむくままに行動。目的に縛られない自由な発想ができる。自分なりの「20%ルール」を取り入れる。
3. 諦めない人間力
一朝一夕に答えが出せるようなものではない問題にこそ、大切な時間を費やし、あなたの頭脳を働かせ続ける価値がある。
考えるという行為そのものが、脳を活性化させ、興奮と深い満足感を脳に与える。強い好奇心と呼べるかもしれない。この感覚が高じてくると、寝食することすら惜しく感じられる。そのためには、自分が選んだ問題に諦めずに取り組み続けること。
天才的なひらめきを手にするのは、成果に鈍感なタイプ。成功にたどり着けるのは、100回エラーを繰り返せる人だけ。
芸術と同じで、一流の思考法は一流の研究論文に触れることによって養われる。
メモ以外の情報を捨てる。今考えることに集中する。
【感想】
「日々の疑問を大切にする」というのは、最近読んだ知的生産系の本では頻繁に出てくる考え方。その疑問はいつでてくるかわからず、フッと湧いてでたら、すかさずすくい上げてメモにとる、言語化することが重要。それによって、自分という人間も見えてくる。今、取り組むべきことも明確になる。高い好奇心を保て、人生を楽しくしてくれる。
ただし、この疑問を言語化するのはナカナカ難しい。 ある種の技術なので訓練が必要。