Seiji's blog

読書メモ

『大前研一ビジネスジャーナル No.1「強いグローバル戦略/脆いグローバル戦略」』(good.book)

 

 

【読書メモ】

「世界経済」

世界経済を語る上で重要なキーワードは、「ジレンマ」

 1 世界経済の成長鈍化。BRICSの低迷が鮮明に

  原因はどこの国も「腐敗」(腐敗指数ランキングより)

  インドは政治家、中国は役人と政治家、ロシアは役人(政治家の腐敗はない→プーチンがいるから)

 2 欧米の「ジャパナイゼーション」が進行

  「20年間長期低迷」。金利ゼロで、景気が浮揚しない。

 3 世界の金融緩和マネーはどう動くか?

  世界的に金利が低い

  リーマンショック後 → 新興国コモディティ(エネルギー類、貴金属類、農産物類)、資源国 → QE2、3のときに、先進国側(米国株米国債ドイツ国債)に少し戻る → 今は引き続き新興国から抜きながら株(先進国)に → 世界中が株高(国債はどこも信用できない)

  新興国からだいぶお金が抜けたので、新興国通貨の為替レートは概ね下落

 

「中国」

経済成長率は右肩下がり

 経済成長率は7%より少し上(政府は7%以下で民衆の暴動がおきると考えてるので、7%以上になる)。でも、輸出入は前年比で増えていない。中国は輸出依存が40%。

 

巨大市場としての魅力は減退、バブル崩壊のリスク

 もしバブル崩壊したら、金融面の問題は政府の今の財務余力で解決可能だと言われてる。中国は国債が少ない。土地はまだ全部共産党が持っている。

 もし不動産が一気に下がると、借入してる金持ちは大打撃。

 そのとき、日本は得する。過剰なお金が流れてくるから。中国から見ると日本の不動産は安い。中国人は不動産好き。まず香港に流れて、それから他の世界へ。(香港の金持ちは、すでに脱香港の方向に)

 

カントリーリスクとどう向き合うかが各国企業の課題

大きく9つ

 1 労働コストの上昇 ー CLMBの100倍

 2 領土と海洋権益をめぐり周辺国と衝突 ー ベトナムやフィリピンも

 3 少数民族の抑圧

 4 富の偏在、格差拡大

 5 反日運動 ー 国民の目を外に向ける点で、政府にとって重要

 6 環境問題の悪化。水、空気、食品の劣化

 7 当局の不条理な規制や指導

 8 先進国から大きく遅れた法整備

 9 政治家や役人の腐敗 ー 裸官が125万人。摘発されそうになると海外へ

 

 

「韓国」

脱却困難な「中進国のジレンマ」に陥っている

 2万ドル経済まで来た → そこからもっとよくなろうとすると、→ 賃金が上がる → 競争力を失う → 結局2万ドルあたりをうろうろ

 

ASEAN

「CLMB」の高い成長率

 平均賃料の安いところに高い経済成長があり、金・企業が集中している

 

ミャンマーブームに対する警告

 理由は腐敗。昔は、ODAだけだったから、一部の役人だけが腐敗。今は、先進国の金がどっと流れこむから、一部の商人や市町村たちが名乗り出して、腐敗が進む。これが「新興国のジレンマ」。

 

グローバル化によって閉ざされた、新興国の「近代国家化」への道

 理由は「新興国のジレンマ」。民主的な国家の骨格をつくるよりも早くお金がくる。グローバル化の悪い点で、シリアスな問題。BRICSがおかしくなったのもこれが問題。

 日本や米国が近代国家になれたのは、お金がなかったから。

 

【感想】

ざっくりまとめると、世界経済の成長は減速してて、とくにBRICS。理由は腐敗。さらに、欧米はジャパナイゼーション。世界は低金利で金が余ってて、それが今は先進国の株に向かってて、世界は株高。

 

【目次】

Interview:強いリーダー育成の方法論

Seminar1:世界経済のジレンマ

Seminar2:アジア・グローバルの今

 

大前研一ビジネスジャーナル No.1 「強いグローバル戦略/脆いグローバル戦略」 (大前研一books(NextPublishing))

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