『大前研一ビジネスジャーナル No.1「強いグローバル戦略/脆いグローバル戦略」』(good.book)
大前研一ビジネスジャーナル No.1 「強いグローバル戦略/脆いグローバル戦略」 大前研一BOOKS (大前研一books(NextPublishing))
- 出版社/メーカー: good.book
- 発売日: 2014/11/07
- メディア: Kindle版
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【読書メモ】
「世界経済」
世界経済を語る上で重要なキーワードは、「ジレンマ」
1 世界経済の成長鈍化。BRICSの低迷が鮮明に
原因はどこの国も「腐敗」(腐敗指数ランキングより)
インドは政治家、中国は役人と政治家、ロシアは役人(政治家の腐敗はない→プーチンがいるから)
2 欧米の「ジャパナイゼーション」が進行
「20年間長期低迷」。金利ゼロで、景気が浮揚しない。
3 世界の金融緩和マネーはどう動くか?
世界的に金利が低い
リーマンショック後 → 新興国、コモディティ(エネルギー類、貴金属類、農産物類)、資源国 → QE2、3のときに、先進国側(米国株、米国債、ドイツ国債)に少し戻る → 今は引き続き新興国から抜きながら株(先進国)に → 世界中が株高(国債はどこも信用できない)
新興国からだいぶお金が抜けたので、新興国通貨の為替レートは概ね下落
「中国」
経済成長率は右肩下がり
経済成長率は7%より少し上(政府は7%以下で民衆の暴動がおきると考えてるので、7%以上になる)。でも、輸出入は前年比で増えていない。中国は輸出依存が40%。
巨大市場としての魅力は減退、バブル崩壊のリスク
もしバブル崩壊したら、金融面の問題は政府の今の財務余力で解決可能だと言われてる。中国は国債が少ない。土地はまだ全部共産党が持っている。
もし不動産が一気に下がると、借入してる金持ちは大打撃。
そのとき、日本は得する。過剰なお金が流れてくるから。中国から見ると日本の不動産は安い。中国人は不動産好き。まず香港に流れて、それから他の世界へ。(香港の金持ちは、すでに脱香港の方向に)
カントリーリスクとどう向き合うかが各国企業の課題
大きく9つ
1 労働コストの上昇 ー CLMBの100倍
2 領土と海洋権益をめぐり周辺国と衝突 ー ベトナムやフィリピンも
3 少数民族の抑圧
4 富の偏在、格差拡大
5 反日運動 ー 国民の目を外に向ける点で、政府にとって重要
6 環境問題の悪化。水、空気、食品の劣化
7 当局の不条理な規制や指導
8 先進国から大きく遅れた法整備
9 政治家や役人の腐敗 ー 裸官が125万人。摘発されそうになると海外へ
「韓国」
脱却困難な「中進国のジレンマ」に陥っている
2万ドル経済まで来た → そこからもっとよくなろうとすると、→ 賃金が上がる → 競争力を失う → 結局2万ドルあたりをうろうろ
「ASEAN」
「CLMB」の高い成長率
平均賃料の安いところに高い経済成長があり、金・企業が集中している
ミャンマーブームに対する警告
理由は腐敗。昔は、ODAだけだったから、一部の役人だけが腐敗。今は、先進国の金がどっと流れこむから、一部の商人や市町村たちが名乗り出して、腐敗が進む。これが「新興国のジレンマ」。
グローバル化によって閉ざされた、新興国の「近代国家化」への道
理由は「新興国のジレンマ」。民主的な国家の骨格をつくるよりも早くお金がくる。グローバル化の悪い点で、シリアスな問題。BRICSがおかしくなったのもこれが問題。
日本や米国が近代国家になれたのは、お金がなかったから。
【感想】
ざっくりまとめると、世界経済の成長は減速してて、とくにBRICS。理由は腐敗。さらに、欧米はジャパナイゼーション。世界は低金利で金が余ってて、それが今は先進国の株に向かってて、世界は株高。
【目次】
Interview:強いリーダー育成の方法論
Seminar1:世界経済のジレンマ
Seminar2:アジア・グローバルの今
大前研一ビジネスジャーナル No.1 「強いグローバル戦略/脆いグローバル戦略」 (大前研一books(NextPublishing))
- 作者: 大前研一,good.book編集部
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