Seiji's blog

読書メモ

『勝ち続ける個人投資家のニュースの読み方』玉川陽介・著(KADOKAWA)

 

勝ち続ける個人投資家のニュースの読み方

勝ち続ける個人投資家のニュースの読み方

 

 Kindle版 勝ち続ける個人投資家のニュースの読み方 (中経出版)

 

【読書メモ】

 

ある程度の知識水準を超えれば、個人投資家機関投資家でさえ、違いはほとんどない

 

ニュースを読むときは、米国、欧州、日本、新興国の4つ、

為替、債権、株、不動産、商品の5つに分ける

中央銀行、金融機関、機関投資家個人投資家の4名のプレーヤーがマネーを動かす

 

著者のニュースの見方

株 → S&P500指数、日系平均株価、いま注目のギリシャや中国(上海総合指数)を見る。その後に、欧州先進国、新興国株価指数を地域ごとに並べて全体の動きを見る

昨日のニュースに反応して、株価がどれだけ動いたかを把握するため

 

為替 → 日本円、米ドル、ユーロを中心にして、騰落率の大きい順に並べてチェック。為替に大きな動きがあったときは、世界のどこかで何らかの事件が起きているはず。

 

債権 → 日米独の10年国債利回りをチェック。近年では世界量的な量的緩和の結果が債券利回りの変化となって市場にあらわれるため、債権に投資してなくても追う必要がある

 

商品 → 金、原油など主要な銘柄のみ

 

不動産 → データよりもニュース記事を参考にしてマネーの動きをみる

 

中央銀行で重要なのは、FRB(米国)、ECB(欧州)、日銀(日本)

欧米の主要な金融機関も押さえておく

各国の機関投資家の動かすマネーは、世界経済の4割以上を占めると言われている

 

投資とは、17マス(商品は1マス)と4名のプレーヤーがつくるルーレットの中で、マネーが次にどこに集まるかを予測するゲーム

 

世界のマネーの動きを予測するためには、金融市場のテーマを把握することが欠かせない

→ 2015年6月でいえば、米国金利上昇タイミングとギリシャ問題

また、何がきっかけで、どこに、どのような影響が出るのかを構造的に理解していくこと。17マスはそれぞれ独立しているわけではない

 

市場の歴史的な流れを理解する

(2006年から10年程度で現在の全体像をつかむことができる)

→ サブプライム危機前後では、市場のルールや構造が大きく変わり、それまでのルールは全く通用しなくなった

 

2006年 米国不動産市場 簡単な審査ですぐに融資(米国の住宅は何十年も値上がりしてたから) → サブプライム層にも多額の融資 → 住宅バブル崩壊 → サブプライム・ローンの大半は焦げつく → 多くの米国金融機関が破綻 → 2008年9月 リーマン・ブラザーズ破綻 → サブプライム危機が本格化(ラスベガスのカジノなど、贅沢系は壊滅的な打撃)

 

バブル崩壊で困るのは、銀行の融資が焦げ付くこと → 銀行の破綻は、経済的な混乱をまねく(例:企業はレバレッジかけて投資できない、個人は住宅ローンで家を買えない) → 銀行の再建には金がかかり、最終的には国民の税金が投入される

 

サブプライム危機からの立て直しのため、金利引き下げ(金融政策の定石)と量的緩和策(非伝統的な金融政策、不良債権を本来価値よりも高い価格で国が買いとった=実質的に、FRBは銀行の損失を負担した) → 量的緩和の始まり

 

サブプライム危機 → 住宅ローン証券価格暴落 → 銀行の信用がなくなる → 金融危機の収束 → 銀行の信用回復 → 銀行社債が大幅高

 

金価格は、戦争や混乱で通貨の価値が危ぶまれるときに、上昇する傾向にあり、「有事の金」といわれている。「金の価値は誰が保証せずとも永遠である」が、金融市場の考え方。

 

不動産も、金と同じ形のある資産。通貨の価値が下がれば、同じ面積の土地を買うのに多くのお金が必要なため、不動産価格は上がる。

 

通貨の流通量が増えて、不動産や商品などの価格が上昇することを、「資産インフレ」という。景気高揚による、品薄や賃金上昇のような「通常のインフレ」とは別。

 

量的緩和拡大見通し → 通貨の価値が下がる、信用も下がる → 資産インフレ → FRBが買いとった不良債権も健全化(不動産価格が上昇したから)

 

量的緩和は実際に新しいお金が刷られているわけではなく、中央銀行のバランスシートに「仮想上のお金」が生まれている状態

 

米国利上げについて、FRBは3つの要素を考慮している

①雇用(重要なのは失業率と非農業部門雇用者数)

 米国は量的緩和で、物の値段が相対的に上がって、インフレ期待の状態。その状態で、賃金が上がらないと、経済の良い循環は起こらない。(欧米系企業では、業績悪化で人員削減が行われることが少なくない)

②不動産市場(住宅着工件数、中古住宅販売件数、新築住宅販売件数)

③金融市場に影響の大きなイベント(ギリシャ問題、ロシア通貨危機など)

 

2015年に入ってから利下げをした国は20ヶ国(インド、トルコ、ロシア、カナダ、オーストラリアなど)

多くの国では、インフレ率が伸び悩み、デフレを懸念。また、通貨安による貿易のメリットを見込んで。

 

勝ち続ける個人投資家のニュースの読み方 (中経出版)

勝ち続ける個人投資家のニュースの読み方 (中経出版)